『武士の日本語』(野火 迅・著)を読みました。

裃をデザインしたチャーミングな装幀

一つの言葉に一ページを充て、その用例を時代小説から引用して解説しています。

各言葉ごとに独立しているので、隙間時間にも読みやすい。

「使ってみたい」とサブタイトルが付いていますが、使ってみたいと思って読んだのではなく、このところの月琴と朗読のイベント「月琴で綴る龍馬の手紙」の朗読台本を書く際、江戸時代の言葉のニュアンスが少しでもわかると、より良い台本が書けるかも、と少し期待してのこと。

落ち着いた語感、しっとりとした優雅な言葉にとても心惹かれ、結果、使ってみたくなりました(笑)。

着物に帯刀という文化から派生した言葉が思ったよりも多く、たった150年前に使われていた言葉なのに、今では意味が予想だにつかないものも多いですね。

話し言葉として使ったら、相手にキョトンとされるかも。書き言葉としても気取りすぎてゴーストライターを疑われそう。

筆者は「今夜、新枕してみないか?」という誘い文句を使ってみることを提唱しているけれど、これはどうでしょう?

「あら、新しい枕に買い換えたの?」とか言われそうです。

類語に「枕を交わす」があるけれど、これも若い子には枕投げの提案とさえ思われかねない気が・・。

 ***

 

各言葉の使用例として、藤沢周平や池波正太郎、宮部みゆきなどの時代小説からの引用がなされていて、それぞれの小説へのガイドの役割を果たしています。

また章ごとのコラムが「言葉から見た江戸文化の解説」にもなっていて面白く読みました。

そんな中で、私が読んでみたいと思ったのは、「追腹」の説明として紹介されている森鴎外の『阿部一族』。

早く朗読台本を完成させて、読もうっと。

 

 

装幀と出版社が異なりますが、内容は同じみたい。