朝日中学生ウィークリー新聞に掲載していただいたインタビュー記事です。

(2013年2月17日 朝日中学生ウィークリー エンジョイMusicコーナー)

出会いは10代 人を癒やす力感じる

16世紀にヨーロッパで流行したリュートという琵琶のような形をした楽器を演奏しています。ほかにもビウエラやルネサンスギターといった古い時代の楽器を中心に演奏します。

スタジオジブリの映画「耳をすませば」には古楽器を演奏するシーンがあり、リュートの音を提供しました。また映画「カムイ外伝」でも土屋アンナさんがビウエラを弾くシーンがあり、演奏指導と音の提供をしました。

長崎県佐世保市で生まれ、6歳でピアノに触れ、10歳からクラシックギターを習い始めました。

リュートの音に出会ったのは中学生の時。当時、朝のラジオ番組でバロック音楽を聴きながら感じの勉強をするのが大好きでした。あるとき、スピーカーからそれまで聴いたこともないスタイルの曲が聞こえ、「何だろう、この音楽は」と思ったといいます。それがリュートの音でした。

1970年代は、古い楽器を再現し演奏しようという試みが盛んになった時代でした。「楽器は時代とともに より大きく力強い音が出るように進化してきました。古い時代の楽器の音は弱く小さな音しか出せませんが、人の心を癒やす力が実際にあると思います。」

リュートは科学技術がまだあまり発展しなかった中世以降のヨーロッパで、病を癒やしたり、王様の眠りのためにも使われた楽器です。

大学に進み、故郷の長崎が中国やヨーロッパから伝わる文化の玄関口になったことを改めて認識し、長崎の人が外国の文化をどう受け入れたのかを学ぶ中で、月琴という中国の古い楽器にも出会いました。

今、古い楽器を好きな人や習いたいと願う人が増えていると、永田さんはいいます。「ストレスの多い現代の暮らしの中で、親密で家庭的な古い音楽の魅力が見直されているのではないかと思います」