【報告】日本ルネサンス普及協会第69回例会〜設立20周年の記念すべき時に
2019年9月28日、早稲田奉仕園リバティホールにて行われた、NPO法人日本ルネサンス音楽普及協会の第69回例会コンサートに出演させて頂きました。
ご来場のお客様、運営にご尽力下さった協会スタッフの皆様、共演のソプラノ・田中美智代さん、どうもありがとうございました。
▼公演の詳細情報
続・西洋音楽の源流をたずねて
前半は、金澤正剛先生による「続・西洋音楽の源流をたずねて V〜旋法と初期バロック」のセミナーが行われ、活発な質疑応答がなされました。
休憩に続いて、後半はいよいよコンサート。
イギリスのリュートソング・プログラム
セミナーのテーマに合わせて、初期バロックに時代をフォーカスしましたが、よく取り上げられがちなイタリアではなく、今回は「イギリス」のリュートソングでプログラムを構成。
J.ダウランド作曲による「タブラチュアつきの歌曲」から、R.ジョンソン作曲による「通奏低音による歌曲」へと、ルネサンス様式からバロック様式への変化を耳から感じて頂けるような工夫をしてみました。
プログラム一覧は下記の通り。
NPO法人日本ルネサンス音楽普及協会 第69回例会 第二部コンサート
2019年9月28日@早稲田奉仕園リバティホール
田中 美智代 (ソプラノ)永田斉子(リュート)
・・・・・ プログラム ・・・・・
<John Dowland(1563-1626) ジョン・ダウランド 作曲>
Preludium「前奏曲」*リュートソロ
Come away, come sweet love「おいで かわいい人」
Lady, if you so spite me「恋人よ 僕に意地悪するのなら」
Lord Willoughby’s welcome home「ウィロビー卿のご帰還」*
Sorrow stay 「悲しみよ とどまれ」
Weep you no more sad fountains「もう泣かないで 悲しみの泉よ」
Can she excuse my wrongs「彼女はいいわけできるのか」
<Anon.作者不詳>
Green sleeves「グリーンスリーヴズ」*
Good night and good rest 「おやすみなさい、ゆっくりと休息を」*
<Robert Johnson(c.1583-1633) ロバート・ジョンソン作曲>
Full fathom five「水深五尋の深いところに」
Where the bee sucks「蜜蜂が蜜を吸うところで」
Have you seen the bright lily grow?
「君は白い百合が咲くのを見たことがあるか?」
やや久しぶりのリュートソングでしたが、イギリスらしい陰影や繊細な表現がやっぱり大陸側とは一線を画していて、独特の趣きがありますね。大いに堪能しました。
リュートソロは、ダウランドの小品のほか、作者不詳のグリーンスリーヴズ(私のディミニューションつき)と、昨夏から気に入ってよく弾いている作者不詳の「おやすみなさい、ゆっくりと休息を Good night and good rest」を。
会場の早稲田奉仕園リバティホールの響きは、こういう小さな編成にはふさわしく、気持ちよく演奏してきました。
ソプラノは田中美智代さん
いつも練習熱心なソプラノ歌手・田中美智代さん。
リハーサルも楽しかったです。本番のトークも盛り上げて下さいました。
またご一緒できる機会があるといいな!
設立20周年を迎えた日本ルネサンス音楽普及協会
2019年にNPO法人日本ルネサンス音楽普及協会は設立20周年を迎えました。
そのような大切な節目の例会コンサートで演奏させて頂いたことを嬉しく思います。
思い返してみると、近江楽堂での第1回協会主催コンサートだった「ルネサンス・リュート二重奏」(2000年)に始まり、「フロットラの世界」「音楽家レオナルド・ダ・ヴィンチ」(2001年)、「シェイクスピアが愛した音楽家たち」「エリザベス朝の世俗音楽」(2002年)、「モンテヴェルディの声楽曲」(2004年)、「シャンソンの夕べ」(2006年)、「リュート五重奏」(2009年)など、多くのコンサートに出演させて頂きました。
この経験は、大きな学びと励ましとなり、私を支えてくれました。
設立20周年の今年、再びこうして協会例会の場でリュートを弾くことが出来たことは、とても感慨深いものです。
協会の皆様、どうもありがとうございました。これからも精進して参りたいと思います。
会員募集中
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第一部セミナーで講演して下さった音楽学の金澤正剛先生のご著書。古楽の入門書として好評です。
おすすめCD
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