「ロバのおうじ」@カリタス小学校、終了!
2017年7月10日と14日、神奈川県川崎市にあるカリタス小学校での
「ロバのおうじ」お話会でリュートを弾いてきました。
カリタス小学校はキリスト教に基づく教育をしている学校です。
![カリタス小学校入り口の羊](https://i0.wp.com/seikonagata.com/wp-content/uploads/2017/07/IMG_6256.jpg?resize=600%2C800&ssl=1)
本物の羊やヤギも飼っています。声が聞こえました。
カリタス小学校には、2009年から2年に一度お誘いいただき、
保護者の朗読グループ「お話の木」のメンバーさんと一緒に
「ロバのおうじ」を公演しています。
今年で4回目になります。
メンバーさんの声質に合わせて役を分担するグループ朗読です。
いつも和気藹々とした雰囲気で、とても楽しいものです。
7月10日は6年生、14日は5年生の皆さんに聴いていただきました。
図書室にスライド投影を準備し、1クラスずつ各学年3クラス、つまり合計6回公演です。
午前9時30分からリュート弾くという経験も貴重です。
この学校には30年以上前に勤務なさっていた柏木先生という教頭先生が模写した
大型紙芝居の「ロバのおうじ」が残されています。
![カリタス小学校に保存されている「ロバのおうじ」紙芝居](https://i2.wp.com/seikonagata.com/wp-content/uploads/2017/07/IMG_6259.jpg?resize=600%2C600&ssl=1)
柏木先生による模写「ロバのおうじ」。お庭でお姫様にリュートを弾いて聞かせるシーン。
この紙芝居が10年ほど前に学内で発見され、それ以来、
この紙芝居を使って「ロバのおうじ」の読み聞かせをすることになったそうです。
最初のうちは紙芝居をそのまま使っていたのですが、
最近は、見やすさと保存のために、データ化してプロジェクターで投影しています。
生徒さんだけでなく、校長先生をはじめ他の先生方や、
お話の木の他の学年のメンバーさんも聞きに来てくださいました。
そして、柏木先生のことをご存じだった理事長先生から、
「柏木先生は、このお話と一緒にリュートも聞かせたいとおっしゃっていた」と
いう証言が!
柏木先生はもう亡くなっているのですが、
思い描いていらっしゃったリュートの音楽に、私の演奏が適うものでありますように!
生徒さんたちはいつものことながら、実に礼儀正しく、集中して耳を傾けてくれました。
「どうして棹の先が折れているのか」
「どうしてリュートを始めることになったのか」という定番の質問に加え、
今回は「リュートはどれくらい練習すれば弾けるようになるか」という質問が寄せられました。
「簡単だよ」というのも嘘になるし、
「すごく難しいよ」と必要以上に脅かすのも良くないだろうし。・・・
「簡単でもいい曲がたくさんあって楽しめます」という答えにしておきました。
このお話会の後、正倉院の琵琶やリュートとの関連について調べたりして、
広がりのある学習につながったとのこと。嬉しいですね。
自分が歳を重ね、知り合いの訃報に接する機会が多くなっているからなのですが、
最近よく「人間はどんどん死んでいくけれど、作品は残って後世に引き継がれる」
ということを思います。
この柏木先生の紙芝居も「ロバのおうじ」の物語も、
そしてリュートの作品も、
作った人は次々といなくなっても作品は残り、
新しい人によって受け継がれていきます。
ロバの王子が「僕がいなくなっても、歌は思い出せます」と言う通りに。
それに対し、お姫様は
「寂しいのは、歌が聴けなくなることじゃないわ。あなたがいなくなることよ!」と答え、
そのことによってロバは王子に変身します。
そうでなくては物語は完結しないのではありますが、
また別の角度から捉えると、
ロバの王子の言葉もまた真実であると思われてきます。
若い人たちにリュートを伝える機会をくださったカリタス小学校の皆さん、
どうもありがとうございました。