【愛用品】良い音を出すためのハンドクリーム
お風呂上がりにリュートを弾くと「おっ、いつもより良い音する!」と思ったことありませんか?
それは、指先がしっとりと柔らかくなっているせい。
指先の皮膚のコンディションが良ければ、確実に音は良くなります。
フランスに留学していた頃、演奏の試験の前には湯船に浸かって全身ふやかしてから、試験会場に向かっていました。(実話)
中には「せめて指先だけでも浸らせたい」と水筒に入れたお湯と洗面器を携えてコンサート会場に向かう人も。(実話)
だからといって、コンサートの本番やレッスンの直前にお風呂に入るのも、楽器と洗面器セットを持ち歩くのも、なかなか難しいですよね。
そこで、右手指先だけを一瞬でお風呂上がり状態にしてくれる愛用ハンドクリームを紹介します。
演奏前に使うハンドクリームの条件
*乾燥によってガサガサに荒れてしまっている場合は、特別なケアが必要なので、ここではあくまで「これからリュートを弾く」直前のケアに絞って紹介していきます。
リュートを弾く直前に使用するハンドクリームの条件は、
- たっぷり水分を補給
- 油分は不要または微量でよい
- すぐに表面がサラッとなる
お風呂に入るとしっとりするのは、水分が補われているから。まずは水分を補うものをチョイス。
油分の多いハンドクリームはベタつくものが多く、その指で楽器を弾くと、弦にくっついたり、まとわりついてしまいます。
そもそも油分が多いと、皮膚がヌルヌルして、リュートをツルッと取り落とすというリスクがあります。
世の中のハンドクリームのほとんどは、油分や修復成分を多く含むタイプなので、購入の際には注意が必要です。
★水分が多くて、油分が少ない、サラサラタイプを選ぶのが正解です。
長年の愛用品「資生堂 薬用ハンドクリーム スーパーさらさら」
これらの条件をクリアしている愛用ハンドクリームは「資生堂 薬用ハンドクリーム スーパーさらさら」です。
(↑ 画像の右 白いチューブ)
まとめて何個も購入し、家の中に置いたり、公演用のキャリーバッグなどに入れてもう10年以上愛用してきました。
「うるおってベタつかない」というキャッチコピー通り、瑞々しいテクスチャーで、風呂上がりのような感触になります。そして「シルクタッチパウダー配合」で表面がすぐにサラッとすべすべになり、リュートの弦へのタッチが絶妙になります。
まさにリュートを弾く直前のハンドクリームとして、最適の商品といえるでしょう。
無香料なのもお気に入りポイントの一つ。
ところが、昨年末、とうとう最後の一個を使い切ってしまいました。同じ商品を購入しようと出かけたら、近所のスーパーやドラッグストアには取り扱いがありません。数年前まではどこにでも売っていたのですが。
もちろんネットショップでは購入出来るのですが、数百円のために配送を頼むのも気が引けて、この際「取り扱い店が多くて安い、リュート弾く前に最適なハンドクリーム」を探してみることにしました。
どこでも買える「アトリックス ハンドジェル さらさらタイプ」
コンビニやドラッグストアで、店頭のテスターを実際に指に塗って比較した結果、最も「資生堂 薬用ハンドクリーム スーパーさらさら」に似た質感だったのが「アトリックス ハンドジェル さらさらタイプ」
3ヶ月以上使用した感想としては「内側しっとり+表面サラッと」のバランスの良さは資生堂にわずかに負けますが、とても良いと思います。これも無香料。
スーパーやコンビニにもたいてい取り扱いがあるので、今すぐ買いたい人にはこれがおすすめ。
(パッケージが少し変更されています。)
お休み前のケアには
ここまでに紹介したハンドクリームは「表面サラッと」を優先するため、荒れてしまった肌を改善する作用は期待できません。
練習の後や就寝前には、油分多めの「しっとりタイプ」のハンドクリームを塗りたくって、水分の蒸発を防ぎ、しっとりとした指先を取り戻しましょう。手袋をして寝ると更に効果的です。
油分を補って皮膚のコンディションを回復させなければ、いくら演奏前にサラッとタイプハンドクリームを使ったところで、すぐに音はボソボソになり改善されることはありません。
この冬から愛用しているのは「クナイプ グーテナハトシリーズ」の「ボディクリーム」。同じシリーズでハンドクリームもあります。
グーテナハトの名前通り、気分が落ち着いて入眠しやすいとされる「ホップ&バレリアン」の香りが特長です。昨秋ごろTwitterで「よく眠れる」と話題になりましたね。
薬草っぽい、干し草っぽい香りです。馬小屋で寝ているような、壮大なリラックス感を味わえます。私は好きな香りですが、かなり好みが分かれる匂いかもしれません。
アーモンドオイル、シアバターなどの天然植物オイルで油分を補う、質感固めのクリームです。
コンビニでよく見かけるニベアシリーズは、有名な濃い青のチューブと上記のソフトタイプとがあります。濃い青の方はかなり油分多め、ソフトタイプはそれよりは油分少なめ、水分ベースとなっています。
ホホバオイル配合で、クリームというより乳液に近い柔らかな質感。
小さなチューブで持ち歩きや、日常使いに便利な商品です。
ニベア特有の匂いがあり、私はちょっと苦手です。
油分を補うハンドクリームについては、いろいろ試してみましたが、効果のほどはどれも同じようなもので、香りの有無や匂いの好き嫌いで選べばいいかと思います。
使い切って写真がないのですが、無香料で私が好きなものは、ニュートロジーナのインテンスリペアのシリーズ。ハンドクリームの他、ポンプ式のボディクリームは身体だけでなく、顔にも塗って、愛用しました。1本で半年ぐらい持つたっぷりサイズで、コスパ最高です。今、使っているものがなくなったら再購入の予定。
手先の保護には潤いと油分、荒れない工夫を
ここまでをまとめると
・楽器を弾く直前には、水分多めのサラッとタイプのハンドクリームを利用する。
・練習しない時や就寝前には、水分多めのタイプ+油分多めのハンドクリームやボディクリームを重ねる。
ということになります。
それでもカサつく場合は、薬効成分が配合された、尿素配合のフェルゼアやユースキンAの登場になってしまいます。
そうなる前に、寒い時期の外出には手袋をする、水仕事や掃除のときにはゴム手袋をする、という防御策で、手先を守る工夫をしたいですね。
「なんだかリュートの音が良くないな・・・」と思ったら、タッチの工夫と共に、指先の皮膚のコンディションを良くすることも一つの方法です。
気分よくリュート弾いていきましょう!