『7人のシェイクスピア』第12巻、劇場戦争ついに決着

5月7日『7人のシェイクスピア』第12巻が発売となりました。

ここしばらく続いていた劇場戦争が、いよいよ最終局面を迎え、さあ、どちらがどう勝利するのか、大きな山場を迎えます。

『7人のシェイクスピア』(12)

表紙はエリザベス1世

今巻の表紙は、エリザベス1世。

威厳のある顔と、パールのネックレスとピンクのリボンで可愛らしいドレスの組み合わせが何とも・・・。

隣は、リュートを弾くエリザベス1世の肖像画(私のiPhoneの壁紙)です。

疫病の流行〜シェイクスピア時代と2020年春

いつも楽しみにしている、指昭博氏によるコラム「シェイクスピアとその時代」のテーマは
「お金の単位」
「疫病の流行」
「ウエストミンスターの教会」
について。

「疫病の流行」では、シェイクスピア時代にも流行した疫病とその時の人々の行動について、2020年春の状況と比較しながら紹介されています。

作品中、お忍びで観劇していたエリザベス女王の「身分の上下にかかわらず、芝居というものは必要なのよ」という言葉が、イベントが中止になっている現在の状況では、また違った意味で響いてきますね。

光と影が織りなすソネット

シェイクが恋人ジョウンへの手紙に記したのは、ソネット43。

「私の目はしっかり閉じるほどよく見えるのです・・・」と始まって、一見矛盾することを並べていくスタイル。

関根淳子さんとの「シェイクスピアの詩とリュートソロ」の企画でも朗読している作品です。

全体の邦訳は▼サイトをどうぞ。

日本語訳参考サイト (メールマガジン「シェイクスピアの森通信」)

500年後に明らかになったリチャード三世の姿

12巻まで発行されましたが、そういえば一般的にシェイクスピアといえばまず挙げられる『ロミオとジュリエット』も『十二夜』も『リア王』もまだ登場していませんね・・・。

『ロミオとジュリエット』が次なる作品として登場しそうな気配がありますが、ひとまずこの第12巻で、第二部の冒頭から登場しては幻の公演となっていた『リチャード三世』が大盛会のうちに再演となって、一区切りついたというところでしょう。

『7人のシェイクスピア』作中でも、独特の雰囲気をまとったキャラクターとして描かれているリチャード三世ですが、なんと、500年以上もたって遺骨が発掘され、最新機器で調査した結果が下記のニュース。

参考記事:リチャード3世は「醜い男」ではなかった。遺骨を分析、シェイクスピアの創作と結論

シェイクスピア以上に、興味深い話です。

次の第13巻の発売は2020年8月6日です。