群読による演出が斬新だった!朗読と月琴で綴る「龍馬の手紙」
2019年1月19日に行われた朗読と月琴で綴る「龍馬の手紙」公演は、無事に終了いたしました。
ご来場のお客様、広報にご協力くださった皆様、どうもありがとうございました。
出演の朗読の皆さん、演出の原きよさん、制作スタッフの皆様、お疲れ様でした!
総勢14名の贅沢な公演
お龍の回想録が予想外の面白さだったので、脚本化してみたのが2年前。
それからいろんな朗読の方々と共演しつつ、各地で公演するたびに推敲と改訂を重ねてきました。
この台本は、コンサート運営の利便性から「最小の予算と人員」で公演できるように、予め作ってあります。
それなのに、今回の公演は12人の朗読者+原さんという総勢13人による朗読!
それに月琴の私が加わり、合計14人による公演ということで(その上、制作スタッフさんもいて)ふんだんに人員を投入した「贅沢な」公演となりました。
群読、そして着物と帯による演出
人手があると可能性が広がる一方で、本来は一人用の朗読台本を13人体制に割り振るところで難しさが生じます。このあたりに、総合演出の原きよさんのご苦労と工夫があったと思われます。
最初はいかにも「分担して読んでいる」感じで、朗読者の数だけ複数の龍馬やお龍がいるといった印象でした。
しかしリハーサルから本番の3回公演へと回を重ねるうちに、まるでピントが合っていくかのように、龍馬とお龍という二人の人物へと統合されていきました。
人物の姿がくっきりと像を結んでいくのと反比例して、表現の幅はどんどん広がっていきました。
短い期間に、このような変化を見せてくださった出演の皆さんは、本当に素晴らしい!です。
黒を背景としたシンプルな舞台に、着物と帯で視覚的演出がなされました。
あくまで朗読中心でありながらも、ここぞというシーン(お龍が刃物を振り回す場面や寺田屋事件など)では、演劇的な動きも取り入れられました。
表現に過不足のない、非常にバランスの優れた演出だったと感じ入りました。
坂本龍馬さんと月琴の魅力発信
この台本を読むにあたって、坂本龍馬やお龍さんについて調べたり、京都を訪れた出演者もいらっしゃいました。
こうして龍馬ファンが増えていくことが、私はとても嬉しいです。
この日一日で100人ほどの方に月琴の音色を体験していただくことができました。
「月琴を聴くのは初めて!」という方ばかりでしたが、総じて大変好評でした。
感謝しつつ、今後も精進してまいります。
びっくりしたこと
驚いたことは、三吉慎蔵さんの末裔にあたる方がご来場になっていたことです。
それをアンケートで知ったためにご挨拶できなかったことが心残りでした。
もう一つ、驚いたこと。
20年以上も前に朝日新聞に掲載された、私のインタビュー記事の切り抜きを持って、ご来場になったお客様がいらっしゃったことです。
大事に手帳に挟んで保存してあった新聞の切り抜きは、もうすっかり茶色く変色していました。
そのころはまだ月琴奏者ではなく、リュート奏者としてのインタビュー記事だったので、名前が一致しただけで今回の公演にお越しになったことは、全く驚くべきことでした。
自分の知らないところで、思いもよらない形で、いろんな方々に支えられ、見守られていることを感じます。
声となって蘇る龍馬の手紙、そしてお龍の回想
何回聴いても、龍馬さんの手紙はユーモアに溢れて面白いし、お龍さんは性格は激しいけれど憎めなくて、晩年の回想録はちょっと哀しくて切ない。
同じ台本、同じ言葉でも、朗読する人によって全く違った意味合いや表情が生まれます。
そんなところに朗読の魅力と奥深さがあります。
これからも機会を見つけて、面白き女と妙な男の夫婦物語「月琴で綴る龍馬の手紙」公演を継続していきたいと思います。
朗読音楽会の公演をやってみたい方、お気軽に「お問い合わせ」よりご連絡下さい。
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