リュート音楽をより深く楽しもう!日本リュート協会へのご案内
先日、日本リュート協会の総会に一会員として参加してきました。
通常の事務的な報告のあと、今後の協会の活動方針について、ディスカッションが行われました。
ここ数年の活動の積み重ねを経て、いくつかの新しい活動方針が打ち出され、今後とても楽しみな展開が予想されます。
個人的にワクワク感が抑えきれませんので、入会のご案内と合わせて書いておきます。
リュート音楽をより深く極めていこう!会員コンサート
これまでは、協会会員であること、リュートを用いて演奏すること、アンサンブルの場合は、リュートが加わっていること、などの最低要件を満たしていれば、演奏曲目については特に縛りはなく、自由な選曲で参加することが出来ました。
例えば、即興演奏や、ポップス系の現代の作品、日本語の歌詞をつけた自作曲の弾き歌いなどで参加する方もいらっしゃいました。
これを「面白い」と思うか「けしからん」と思うかは、個人の好みによるでしょう。
基準を緩くしていたのは、ひとえに「人は何がきっかけでリュートにハマってしまうかわからない」という、それぞれがリュートを始めたきっかけを踏まえての思いがあったのかもしれません。
まだリュートを知らない人との接点をなるべく広くするため、というリュート普及の一つの戦略であったと思っています。
かなり長い間、この自由な雰囲気は続いていました。
その間、コンサートホールやサロンに限らず様々な状況でリュートを聴くことが出来るようになったり、Youtubeなどの動画が普及してきました。
協会としては、これまでひとしきりいろいろとやってみたところで、もうここらで「本来のリュート音楽」をより深く極めていくことに方向転換をしよう、ということになりました。
つまり「リュートの歴史と作品をリスペクトし、その音楽を演奏して楽しみ、共有する」ひとつの場として会員コンサートを位置づけるということです。
今後は、演奏曲がルネサンスやバロックの作品に限られることになるでしょう。
ただし、リュートのための現代曲の新曲が作曲された場合、それは歴史に連なるものとして会員コンサートでの演奏は認められるそうです。前提として、リュートという楽器の特性と歴史を理解した上で作曲されていること、という条件はつくでしょう。
曲に制限があるからといって、会員コンサートに参加するのに、演奏レベルは問いません。
リュート愛さえあれば大丈夫。(それと参加費)
翻訳プロジェクトが本格的に開始
前号(2019年2月発行)の会報では、ピッチニーニの序文を日本語に翻訳したものが全文掲載されました。野入志津子さんを監修に迎え、会員有志による大変な力作です。
▼32号会報表紙
さらにリュート製作の分野から渡辺広孝氏による解説、アーチリュートを持っていなくても7コースで弾けるピッチニーニの作品楽譜という充実ぶり。
これを読むためだけにでも、日本リュート協会へ入会する価値があります。
今後、タブラチュア楽譜の前文や、扉文、歴史的教科書などの翻訳プロジェクトが本格的に開始されるようで、とても楽しみです。
イタリア語、英語など外国語であることに加え、古語であるため、なかなか一筋縄ではいきませんが、会員同士で連携・協力しながら進めていけると素晴らしい活動業績になると思います。
日本リュート協会に入会するには
リュートを弾く方のみならず、リュート音楽やリュートという楽器を愛する方ならどなたでも入会できます。