【報告】観音様に捧げる月琴の音色@びわ湖長浜KANNON HOUSE
2018年3月18日、上野にある「びわ湖長浜KANNON HOUSE」での月琴ライブ、ギュウギュウ詰め満席のお客様に恵まれて、無事に終了いたしました。
ご来場のお客様、スタッフの皆様どうもありがとうございました。
観光客で大混雑する上野駅周辺を抜けて、「びわ湖長浜観音ハウス」へ。
新しくモダンな建物です。
内部には、長浜から出張してお越しの観音様、十一面観音菩薩立像(長浜市指定文化財)がいらっしゃいました。作られたのは室町時代。
周りを囲っているのが、壁でなくて木の格子になっているのが、圧迫感がなくてよいですね。木の香りも漂っています。
お客様と膝がくっつきあうか、と思うほどの親密な空間でのライブは、私の大好きな演奏スタイルで、大いに楽しみました。珍しい月琴ということもあり、お客様からの質問も相次ぎ、熱心に耳を傾けて下さいました。
<プログラム>
幕末〜明治時代の月琴音楽
・韻頭(イントウ)
・算命曲(サンミンキヨ)
・四季(スウキイ)
・九連環(キウレンクワン)
・十二紅(ジュウニコ)
・中山流水(チウザンリウスイ)
・紗窓(サアチヤン)〜春は三月
・茉莉花(メリイフハア)〜水仙花
・漫板流水(マンパンリウスイ)
・この子よう泣く(滋賀県大津市の子守歌)
*いずれも作者不詳
最後の曲は、滋賀県に関係のある音楽を、と主催の方からのリクエストがありましたので、滋賀県大津に古くから伝わる子守唄を、資料を探したりして今回新たに用意したものです。
赤ん坊に聞かせる子守唄ではなく、むしろ子守をしている娘の歌。歌詞が面白いので記しておきます。
◎この子よう泣く
この子よう泣く 泣かん子もあろに
もちと泣かん子と替えてほし、替えてほしー
子が可愛けりゃ、良い笠おくれ
やぶれ笠では子が濡れる、子が濡れるー
この子これだけ よう泣くせがむ
お乳足らぬか、乳離れか、乳離れかー
お乳たくさんありますけれど
この子これだけ性が悪い、性が悪いー
性の悪いのは まな板の上で
刻み刻むように、ぎざぎざと ぎざぎざとー
刻み刻んで、お醤油をかけて
親に見せたら 血の涙、血の涙ー
驚愕の結末!
ちょっと昔まで、まだ年端もいかない子どもたちが他家の赤ん坊の子守として雇われることがありました。赤ん坊が泣いてばかりいると、だんだん子守が辛くなり、ついには赤ん坊が憎たらしくなる、そんな子守娘の心情をよく表している歌詞となっています。
最後に観音様と一緒に記念撮影。着物姿もお客様に喜んでいただきました。
一歩外へ出ると、再び上野の雑踏に飲み込まれました。
びわ湖長浜KANNON HOUSEは、静かに観音様と向かい合うことのできる、都会のオアシスのような存在です。ぜひ上野にお出かけの際は、立ち寄ってみて下さい。