【リュート絵画】ドイツのリュート弾き『Musica getutscht und außgezogen』より

『Musica getutscht und außgezogen』リュート弾き

この図版は、前の記事で紹介した文献『Musica getutscht und außgezogen』(1511年)に掲載されているもので、書籍の著者はSebastian Virdung、出版者はMichael Furter、版画の作者はUrs Grafと考えられています。

森の中でしょうか、切り株に腰掛けてリュートを弾いている姿が魅力的です。

口元は弾き歌いをしているかのように少し開いているようにも、あるいは見方によっては「うー、リュートって難しい・・・」とギュッと固く結んでいるようにも見えますね。

リュートをほぼ水平に構えたフォーム、棹を握りしめるような左手の形に、16世紀初頭のリュートらしさがよく描かれています。ブリッジ端の渦巻き状の装飾も現代のリュートでよくコピーされている装飾モチーフですね。

『Musica getutscht und außgezogen』リュート弾き右手細部

右手はフィゲタのフォームではないなーと、拡大してみると、薬指と小指の間から縦に棒状のものが見えているので、羽軸のようなピックを持っているのかもしれません。

何より目を引くのが頭。

これは・・当時流行った斬新なヘアスタイルなの?!

としばらく考えて・・・ベレー帽のような帽子に大きな羽飾りがついているのだと理解。

遊び心で色をつけてみました。

『Musica getutscht und außgezogen』リュート弾き画像彩色1

最初、ウサ耳のような被りものをしているのかと思ったよ。(マイメロ風)

『Musica getutscht und außgezogen』リュート弾き彩色2

IMSLPサイト内で見つけた彩色ヴァージョン。過去の研究者も遊んでいる!

『Musica getutscht und außgezogen』リュート弾き歴史的彩色版

白黒の縦縞タイツかぁー!!その発想はなかった。負けた。

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